四柱推命は、古代中国で創始された占術です。 12世紀、南宋の時代には文献にまとめられていますが、 四柱推命のベースとなる五行説は、紀元前の春秋戦国時代のころには理論体系が確立されていたようです。
四柱推命では、生年月日時をもとに命式と呼ばれる表を作成します。 年柱・月柱・日柱・時柱の四つの柱にそれぞれ二つの漢字を割り当て、 四柱×二字=八字の組み合わせで、その人の性格や運勢などを推定します。
命式を見る際には、まず八字を見ます。 命式には八字以外にも通変星・蔵干・十二運・特殊星などの情報が記載されていますが、これらはすべて八字をもとに算出されたものです。 八字を解釈しやすくするための補助情報であり、八字の並びが命式のすべてです。
年月日時の四柱にそれぞれ割り当てられた二つの漢字は、干支と呼ばれるもので、 上の字を天干、下の字を地支と呼びます。
天干と地支は、陰陽(陰性/陽性)、および、五行(木性/火性/土性/金性/水性)のエネルギーの種類を表しており、 これらの組み合わせによって、その人の持つエネルギーの種類やバランスを見ます。 天干は、以下の十干のいずれかとなります。
地支も天干と同じように陰陽五行の種類を表しています。 ただし、地支には蔵干と呼ばれる2~3種類の干が含まれており、地支のなかには陰陽五行のエネルギーが混在しています。 地支は、以下の十二支のいずれかとなります。
四柱推命は、陰陽五行の均衡論です。命式も行運もバランス良く均衡しているのが良いとされます。 陰陽や五行(木火土金水)の配分が極端に偏ることなく、 お互いがより良くなるよう影響し合って、エネルギーを循環させているのがバランスの良い命式です。
通変星は、命式を見やすくするための補助情報です。 自分自身を表す日干と他の干との関係から算出されたものであり、 干同士の関係を通変星に置き換えることで、命式からその人の性格や運勢を判断しやすくなります。
通変星は、陰陽と五行の組み合わせパターンから算出されるので、以下の2×5=10種類となります。
※上記は、日干が「乙」の場合の例です。
通変星同士の組み合わせには相性があります。 相手の働きを活発にすることを「生じる」、相手の働きを抑えることを「剋す」と言います。 以下は、通変星同士の相性を図にしたものです。
「生じる」と「剋す」は、そのバランスが重要であり、 生じられてばかりでは甘えが出やすくなり、剋されてばかりでは屈折しやすくなるでしょう。 生じる関係だから運勢が良い、剋す関係だから運勢が悪いと一概には言えないのが四柱推命の面白いところです。
通変星には吉凶がありますが、 吉星ばかりの命式が良いわけではなく、お互いの星の良さを効果的に引き出し合う星同士が組み合わされて、 全体が美しく均衡しているのが良い命式です。
通変星の組み合わせから吉凶を読み取ることが四柱推命の要点となります。
いずれかの五行が過剰であったり不足している場合には、それが均衡されることで運気が向上します。 五行のエネルギーは、本人の命式だけではなく、大運(十年運)や流年(一年運)などの行運のなかにも巡っています。 その人にとって足りないエネルギーが巡る時期は運気が安定し、過剰となっているエネルギーが巡る時期は運気が乱れます。
足りないエネルギーを補ったり過剰なエネルギーを流すために、 行運以外にも自分にとって良い影響を与えてくれる人と交流したり、 住環境、食べ物、感情などを意識的にコントールすることで、命式の偏りをある程度まで補うことができるでしょう。