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月支元命(げっしげんめい)とは?

一生を通じてあまり変化しない、その人の気質を表す

月支元命(げっしげんめい)とは、四柱推命の命式で月支の蔵干から算出される通変星のことです。

以下の命式で言えば、月柱(げっちゅう)と蔵干の通変星の交わった位置に入る通変星です。 例えば、以下の命式では、月支元命は「比肩」となっています。

月支元命(げっしげんめい)

月支元命は、その人の気質の軸とされており四柱推命の鑑定では特に重視されます。

月支元命の通変星から読み取るのは、その人の軸となる先天的な気質です。 経験や心掛けによって人格が洗練されていくことはあっても、月支元命に根差した気質は一生を通じてあまり変化しません。

以下は、通変星の種類ごとに、月支元命にその通変星を持つ人がどのような性格なのかをまとめたものです。 あくまでも一般論ですが、命式を観る際にある程度は参考になるでしょう。

月支元命が比肩(ひけん)になる人

月支元命が比肩になる人は、独立心旺盛な人でしよう。 何事においても判断基準は“自分”で、 自分自身を表現したり自己実現したいという強い願望を持っています。

比肩は、蔵干が日干と同じになる場合に生成される星です。 日干と同じ干なので、日干の気質がより強められます。 日干の種類により強められる気質は異なりますが、自分自身をねじれ無くそのまま表現する、 ある意味ストレートな性格の人だと言えるでしょう。

比肩は自分自身の気質を強めるので、日干の弱いタイプの人にはプラスに働きます。 この場合には、何事も自分の意志で決断して、ハッキリとした目的意識を持ち、 積極的な態度で取り組む精力的な人物となるでしょう。

一方で、日干が強められすぎて過剰になる人もあります。 この場合には、自意識過剰になったり、自己中心的で身勝手な面が出てくるでしょう。

月支元命が劫財(ごうざい)になる人

月支元命が劫財になる人は、内側に強い欲望や衝動を持っている人でしよう。 どこか過激な一面のある人であり、普段は抑えていますが、 なにかの拍子にこうした衝動に突き動かされて刹那的に行動することがあります。

自己表現や自己実現をしたいという強い願望を持っていますが、 その願望はどこかアウトローなものになりやすい傾向です。 人とは違う生き方を求めたり、ギャンプルなどの勝負事にのめり込むなど、 時として、社会ルール・モラル・平均的な幸せなどに背を向けることがあるかもしれません。

周りに気を使うことが出来ない人ではありませんが、アタマの回転が速くズケズケと本音を言うところがあります。 刺激的な言動で面白い人と解釈されることもありますが、 相手を見下したような態度ととられることがあるかもしれません。

芸能界・プロスポーツ・ビジネスなど、何らかの勝負事の世界に身を置くと、 大成しやすい要素を持っている人と言えるでしょう。

月支元命が食神(しょくじん)になる人

月支元命が食神になる人は、温厚な平和主義者でしょう。 基本的に楽観的な性格で、どこかで未来は良くなると信じています。 食べることが好きな美食家で、 ファッションやインテリアに興味を持つセンスの良い人が多いのが特徴です。

食神の気質の根底には、子供のような純粋さ、わがままさ、むき出しの欲望があります。 本能に従って行動する人であり、 究極的には、楽しいかどうか気持ち良いかどうかで物事の判断を下します。 人間の生理に逆らわない無理の無い人と言えるでしょう。 良くも悪くも子供の世界観を持っている人であり、実際に子供とは気が合います。

その一方で、ある種の未熟さや現実に対する詰めの甘さがあり、 社会性・計画性・大人としての責任などがおろそかになる場合があるかもしれません。 また、本能や欲望に正直なだけに、人によっては性に関する問題を起こしてしまうこともあるようです。 その自覚がある場合には、若干の戒めが必要でしょう。

月支元命が傷官(しょうかん)になる人

月支元命が傷官になる人は、 外面的には強気、内面的にはデリケートな二面性を持っている人でしょう。 多感で傷つきやすい繊細な人ですが、そうした自分を守るために反抗的な態度をとります。 何らかのコンプレックスを持っていることが多く、 そのコンプレックスをバネにして反骨精神を燃やすタイプです。

このタイプの人は、干渉されたくないけれど独りは寂しい… 頼りたいけれど反発してしまう… 愛されたいけれど素直になれない… といった具合に、矛盾する感情に揺れがちです。

こうした感情の揺れは、芸術的な感性を育てるようです。 傷官には、クリエイティブな人が多く、 こうした独特の感性をうまく生かすことができれば、 独創的な作品を生み出すことができるかもしれません。

月支元命が偏財(へんざい)になる人

月支元命が偏財になる人は、人付き合いの上手い社交家でしょう 感情豊かで、人情に厚く、他人への面倒見の良い人です。

どこか商人のような気質を持っており、お金を稼ぐことが好きで精力的に働きます。 稼いだお金を使わずに貯め込むということは少なく、 人との交流に使ったり、自分の買い物に使うなどして世の中へと回します。 お金が入りやすく出て行きやすい気質と言えるでしょう。

活動的で人との交流が多い分、異性も含めた出会いのチャンスは多いでしょう。 基本的に惚れっぽく、また、気移りしやすいので、 人によっては、離婚や軽い浮気などを経験することがあるかもしれません。

サービス精神旺盛で金離れが良く、人気者になれる要素を持った人です。 ただし、そうした気質も過剰になれば強欲やホラ吹きとなって表れます。 自分自身の性格やエネルギーを、うまくコントールする意識を持つと良いでしょう。

月支元命が正財(せいざい)になる人

月支元命が正財になる人は、誠実で真面目な働き者でしょう。 社会人としてきちんとした態度で振る舞える堅実な人であり、 正義感や責任感が強く、社会ルールやモラルを守ります。

決して派手ではありませんが、いつも安定した対応で頼りになる人です。 合理的な価値観の持ち主で、仕事もしっかりとこなせます。 周りの人たちに安心感を与えるタイプと言えるでしょう。

一方で、堅実な分だけ視野が狭くなりがちで柔軟性に欠ける傾向です。 決められた実務を日々こなしていくことは得意ですが、 自由な発想が求められる場面では正財の長所は活かしにくいかもしれません。

正財は、あまり浪費をしません。 それ自体は長所ですが、 お金を貯め込むばかりで生かしきれないということがあるかもしれません。

月支元命が偏官(へんかん)になる人

月支元命が偏官になる人は、意志の強い人でしょう。 アタマの回転速く、行動力があり、一本気な性格です。 組織に所属している場合にも、どこか無頼な一匹狼の雰囲気を持っています。

正義感が強く、自分が正しいと思えば目上に逆らうことも厭わない人です。 一方で目下への面倒見は良く、義理人情に厚い親分肌、姐御肌の人でもあります。 例えば、上司や先輩と意見が対立した際に、 部下や後輩が慕ってついてきてくれるようなことを経験しているかもしれません。

高い理想を持って、ブレずに自分の意志を貫く姿勢が人生を成功へと導くでしょう。 ただし、良くも悪くもプライドが高く自分の意見を曲げたがらないので、様々な場面で衝突する機会が多くなりがちです。 そうした気質が悪く出ると、他人の考えを受け入れない意固地な面が強くなります。

一徹な姿勢は良いのですが、それが頑なさとなっていないか時々自己確認をすることです。 多少納得のいかない場合でも、人の意見をよく聞いた上で、 大局的な視点で状況判断できるようになれば、より大きな成果が得られるようになるでしょう。

月支元命が正官(せいかん)になる人

月支元命が正官になる人は、礼節をわきまえた紳士・淑女でしょう。 官公庁や大企業などの優秀なビジネスマンといったタイプで、 ハメを外しすぎることなく、自分を律することができ、品の良さを感じさせます。

マジメ過ぎる堅物ということではなく、人間らしさも備えています。 際立った統率力やカリスマ性があるということではありませんが、 周りからの人望は厚いでしょう。 どのような組織・グループにおいても信頼を勝ち得ることのできる人で、 企業などにおいて出世しやすいタイプと言えるでしょう。

上記の通り、月支元命に正官があれば、安定した人生が送れる可能性が高いでしょう。 ただし、世間体や体裁を気にするタイプで、実利よりも名誉を重視する傾向があります。 場合によっては、名誉ある地位に就いているけれど、 実生活は経済的に苦しい…といった状態になる可能性もありえます。

同様に、恋愛面においても必ずしも多くの異性を惹き付けるということではなく、 誠実な恋愛をするタイプと言えるでしょう。

月支元命が偏印(へんいん)になる人

月支元命が偏印になる人は、発想豊かなアイデアマンでしょう。 知的でセンスの良い人であり、クリエイティブな才能を持つ人もいるでしょう。 文章がうまいのも偏印の特徴です。

自由気ままな暮らしに憧れる人で、束縛されることを嫌います。 土地に根付かない流れ者のような生活を志向するところがあり、職や住所を転々としがちな気質です。 どちらかと言えば、田舎暮らしよりも都会のほうが馴染みやすいタイプと言えるでしょう。

悪い言い方をすれば、根無し草・浮き雲タイプです。 それ自体は悪いことではありませんが、 アレもコレも経験したけれど、どれも中途半端ということにもなりかねません。 職歴などが無駄にならないように、 何か夢中になれるものを見つけて、自分が進むべき道を定められると良いでしょう。 何らかの道を極めていくことで、偏印の持つ知性・センスの良さ・文才などが活かされるでしょう。

月支元命が印綬(いんじゅ)になる人

月支元命が印綬になる人は、才能にあふれた優秀な人でしょう。 簡単に言ってしまえば、天才と呼ばれるタイプの人です。 鋭い感性を持っており、新しい時代を創り出す可能性を秘めた人と言えるでしょう。

学校の成績が良いかどうかというよりも、生まれながらにして頭脳明晰で、 物事の急所を見極め、要点を押さえてスッと飲み込みます。 才能があり、人気を集めるタイプで、一気に世間の注目を集めることもありえます。

注意が必要なのは、才能に優れ性格的に恵まれているがゆえに周りにチヤホヤされて、 かえって努力をしなくなる場合があるかもしれません。 良くも悪くも自尊心の強い人ですから、それが悪い方向へ出ないように 若干の戒めが必要でしょう。

また、感性が鋭く高感度なだけに繊細で傷つきやすい一面があるようです。 悪くすると、アタマは良いけれど感情が不安定であったり、 才能はあるけれどワガママといった傾向が表れるかもしれません。 精神的な不安や神経の乱れなどから、アルコールやドラッグなどに逃避するケースもあるようです。 自分を安定させる何らかの生活習慣を持つと良いでしょう。