偏印(へんいん)は、日干を生じる五行、日干と同じ陰陽の関係性になる場合に算出される通変星です。 具体的に日干と蔵干の組み合わせで通変星が偏印となるのは、以下の10パターンです。
例えば、日干が「甲」の場合に相手の蔵干が「壬」であれば、その部分に入る通変星は「偏印」となります。
命式の月柱と蔵干の通変星が交わった位置に入る通変星を「月支元命(げっしげんめい)」と呼びます。 月支元命はその人の気質の軸とされており、四柱推命の鑑定では重視されます。
月支元命が偏印になる人は、発想豊かなアイデアマンでしょう。 知的でセンスの良い人であり、クリエイティブな才能を持つ人もいるでしょう。 文章がうまいのも偏印の特徴です。
自由気ままな暮らしに憧れる人で、束縛されることを嫌います。 土地に根付かない流れ者のような生活を志向するところがあり、職や住所を転々としがちな気質です。 どちらかと言えば、田舎暮らしよりも都会のほうが馴染みやすいタイプと言えるでしょう。
悪い言い方をすれば、根無し草・浮き雲タイプです。 それ自体は悪いことではありませんが、 アレもコレも経験したけれど、どれも中途半端ということにもなりかねません。 職歴などが無駄にならないように、 何か夢中になれるものを見つけて、自分が進むべき道を定められると良いでしょう。 何らかの道を極めていくことで、偏印の持つ知性・センスの良さ・文才などが活かされるでしょう。
偏印は、自分自身を表す日干にエネルギーを与える通変星です。 知的好奇心が旺盛で物知りであり、常識にとらわれないアイデアマンです。 命式に偏印が多ければ、以下の傾向が強まります。
通変星同士の組み合わせには相性があります。 相手の働きを活発にすることを「生じる」、相手の働きを抑えることを「剋す」と言います。 以下は、通変星同士の相性を図にしたものです。
偏官は、偏印に力を与えます。 同じ命式に偏印と偏官があれば、偏印の気質が強められます。
偏財は、偏印の力を奪います。 同じ命式に偏印と偏財があれば、偏印の気質が弱められます。
偏印は、比肩に力を与えます。 同じ命式に偏印と比肩があれば、比肩の気質が強められます。
偏印は、食神の力を奪います。 同じ命式に偏印と食神があれば、食神の気質が弱められます。
偏印がめぐる期間には、気分のままに放浪したいような気持が出てきます。 束縛されず自由でいることを好むようになりますが、それだけに孤独感が強まります。
皆と賑やかな時間を過ごすというよりは、独り静かに思索にふける内向的・哲学的な時間が長くなるでしょう。 どこか旅をし続けているような生活となり、人によっては住所や職を転々と変える不安定な時期となるかもしれません。
この時期には、創造性が高まりカンが冴えます。 様々に思考するなかで、ふとした瞬間に人生の真理に気付いたり、悟りを開いたような心境になることがあるかもしれません。 芸術的な感性が高まる時期なので、絵画や作文などの創作活動や、何らかの学問や研究に没頭してみるのも良いでしょう。
社会との接点が少なくなって将来の不安を感じやすい時期ですが、案外こうした時期に没頭したことが人生における武器となるものです。 鬱々と落ち込んで過ごすのではなく、前向きに自分を掘り下げて、何か人には負けないものを身に付けられると良いでしょう。 また、感受性が強くなる時期なので、旅に出るなどして世の中を見ておくのも良いでしょう。