通変星は、命式を見やすくするための補助情報です。 自分自身を表す日干と他の干との関係から算出されたものであり、 干同士の関係を通変星に置き換えることで、命式からその人の性格や運勢を判断しやすくなります。
通変星は、陰陽と五行の組み合わせパターンから算出されます。 そのため、2×5=10種類となります。
以下は、日干が「乙」の場合の通変星の算出例です。
ひとつの命式では、7つの通変星が算出されます。 命式に表れる通変星の種類や、その配置、組み合わせからは、その人の気質などを読み取ることができます。
月柱の下部に表れる通変星は「月支元命」と呼ばれ、その人の性格などを推定する際には特に重視します。 また、同じ通変星が3つ以上ある場合には、その通変星の気質が性格に大きく影響するでしょう。
命式中の通変星から性格などを推定する場合、 まず、月支元命がどの通変星になっているかを観て、その人の軸となる気質を大まかに判断します。 そして、その通変星に対して他の通変星がどのように剋したり生じているかによって、 気質にどのような影響を与えるかを読み取り、性格などを総合的に判断します。
尚、日柱の上部には通変星がありません。 この位置の通変星をあえて算出するなら、日干と日干(つまり同じもの)を比較するので、どの命式でも日柱の上部には【比肩】が入ることになります。 【比肩】は自我を表します。
通変星同士の組み合わせには相性があります。 相手の働きを活発にすることを「生じる」、相手の働きを抑えることを「剋す」と言います。 以下は、通変星同士の相性を図にしたものです。
「生じる」と「剋す」は、そのバランスが重要であり、 生じられてばかりでは甘えが出やすくなり、剋されてばかりでは屈折しやすくなるでしょう。 生じる関係だから運勢が良い、剋す関係だから運勢が悪いと一概には言えないのが四柱推命の面白いところです。
例えば、命式のなかに同じ通変星が過剰に存在している場合にも、その通変星を剋す通変星が同時に存在していれば、 気質の偏りがある程度抑えられるかもしれません。
また、例えば、命式のなかに吉星とされる通変星があるとして、それを剋す通変星があるのが惜しい場合にも、 その剋す通変星をさらに剋す通変星が同時に存在していれば、凶意が減じるかもしれません。
通変星には吉凶がありますが、 吉星ばかりの命式が良いわけではなく、お互いの星の良さを効果的に引き出し合う星同士が組み合わされて、 全体が美しく均衡しているのが良い命式です。
通変星の組み合わせから吉凶を読み取ることが四柱推命の要点となります。
以下に、それぞれの通変星の気質を箇条書きにします。 命式を観る際の参考にしてください。
・【偏印】―♥→【比肩】―♥→【食神】
・【偏官】―×→【比肩】―×→【偏財】
・【印綬】―♥→【劫財】―♥→【傷官】
・【正官】―×→【劫財】―×→【正財】
・【比肩】―♥→【食神】―♥→【偏財】
・【偏印】―×→【食神】―×→【偏官】
・【劫財】―♥→【傷官】―♥→【正財】
・【印綬】―×→【傷官】―×→【正官】
・【食神】―♥→【偏財】―♥→【偏官】
・【比肩】―×→【偏財】―×→【偏印】
・【傷官】―♥→【正財】―♥→【正官】
・【劫財】―×→【正財】―×→【印綬】
・【偏財】―♥→【偏官】―♥→【偏印】
・【食神】―×→【偏官】―×→【比肩】
・【正財】―♥→【正官】―♥→【印綬】
・【傷官】―×→【正官】―×→【劫財】
・【偏官】―♥→【偏印】―♥→【比肩】
・【偏財】―×→【偏印】―×→【食神】