比肩(ひけん)は、日干と同じ五行、日干と同じ陰陽の関係性になる場合に算出される通変星です。 具体的に日干と蔵干の組み合わせで通変星が比肩となるのは、以下の10パターンです。
例えば、日干が「甲」の場合に相手の蔵干が「甲」であれば、その部分に入る通変星は「比肩」となります。
命式の月柱と蔵干の通変星が交わった位置に入る通変星を「月支元命(げっしげんめい)」と呼びます。 月支元命はその人の気質の軸とされており、四柱推命の鑑定では重視されます。
月支元命が比肩になる人は、独立心旺盛な人でしよう。 何事においても判断基準は“自分”で、 自分自身を表現したり自己実現したいという強い願望を持っています。
比肩は、蔵干が日干と同じになる場合に生成される星です。 日干と同じ干なので、日干の気質がより強められます。 日干の種類により強められる気質は異なりますが、自分自身をねじれ無くそのまま表現する、 ある意味ストレートな性格の人だと言えるでしょう。
比肩は自分自身の気質を強めるので、日干の弱いタイプの人にはプラスに働きます。 この場合には、何事も自分の意志で決断して、ハッキリとした目的意識を持ち、 積極的な態度で取り組む精力的な人物となるでしょう。
一方で、日干が強められすぎて過剰になる人もあります。 この場合には、自意識過剰になったり、自己中心的で身勝手な面が出てくるでしょう。
比肩は、自分自身を表す日干と同じ干の通変星であり、自分自身を強めます。 シンプルな頑張り屋さんであり、自分の実力で何かをやり遂げたいタイプです。 命式に比肩が多ければ、以下の傾向が強まります。
通変星同士の組み合わせには相性があります。 相手の働きを活発にすることを「生じる」、相手の働きを抑えることを「剋す」と言います。 以下は、通変星同士の相性を図にしたものです。
偏印は、比肩に力を与えます。 同じ命式に比肩と偏印があれば、比肩の気質が強められます。
偏官は、比肩の力を奪います。 同じ命式に比肩と偏官があれば、比肩の気質が弱められます。
比肩は、食神に力を与えます。 同じ命式に比肩と食神があれば、食神の気質が強められます。
比肩は、偏財の力を奪います。 同じ命式に比肩と偏財があれば、偏財の気質が弱められます。
比肩がめぐる期間には、自我が強くなり独立心が旺盛となります。 自分に自信が出てきて何事に対しても強気になります。 いつも以上に自己主張が強くなり、自立心が高まって気持ちがしっかりしてきます。
基本的には、仕事運が良くなる時期です。 会社勤めの人は独立したい気持ちが高まりやすく、自営の人は新しい分野に挑戦したくなるかもしれません。 物事を達成するには、ある程度自我を貫くことは必要なので、何か成し遂げたいことがあるなら、この時期に思い切り挑戦してみるのも悪くないでしょう。
ただし、自信過剰になったり、自己中心的な態度が多くなる時期でもあるので注意が必要です。 思い込みで視野が狭くなっていないか、相手をねじ伏せるような言動をしていないかなど、普段以上に自己反省と謙虚な姿勢が必要となります。 大きな挑戦をする前には、周りの人から客観的なアドバイスをもらうのも良いでしょう。