印綬(いんじゅ)は、日干を生じる五行、日干と異なる陰陽の関係性になる場合に算出される通変星です。 具体的に日干と蔵干の組み合わせで通変星が印綬となるのは、以下の10パターンです。
例えば、日干が「甲」の場合に相手の蔵干が「癸」であれば、その部分に入る通変星は「印綬」となります。
命式の月柱と蔵干の通変星が交わった位置に入る通変星を「月支元命(げっしげんめい)」と呼びます。 月支元命はその人の気質の軸とされており、四柱推命の鑑定では重視されます。
月支元命が印綬になる人は、才能にあふれた優秀な人でしょう。 簡単に言ってしまえば、天才と呼ばれるタイプの人です。 鋭い感性を持っており、新しい時代を創り出す可能性を秘めた人と言えるでしょう。
学校の成績が良いかどうかというよりも、生まれながらにして頭脳明晰で、 物事の急所を見極め、要点を押さえてスッと飲み込みます。 才能があり、人気を集めるタイプで、一気に世間の注目を集めることもありえます。
注意が必要なのは、才能に優れ性格的に恵まれているがゆえに周りにチヤホヤされて、 かえって努力をしなくなる場合があるかもしれません。 良くも悪くも自尊心の強い人ですから、それが悪い方向へ出ないように 若干の戒めが必要でしょう。
また、感性が鋭く高感度なだけに繊細で傷つきやすい一面があるようです。 悪くすると、アタマは良いけれど感情が不安定であったり、 才能はあるけれどワガママといった傾向が表れるかもしれません。 精神的な不安や神経の乱れなどから、アルコールやドラッグなどに逃避するケースもあるようです。 自分を安定させる何らかの生活習慣を持つと良いでしょう。
印綬は、自分自身を表す日干にエネルギーを与える通変星です。 知的で研究熱心な勉強家であり、名誉や精神性を大切にします。 命式に印綬が多ければ、以下の傾向が強まります。
通変星同士の組み合わせには相性があります。 相手の働きを活発にすることを「生じる」、相手の働きを抑えることを「剋す」と言います。 以下は、通変星同士の相性を図にしたものです。
正官は、印綬に力を与えます。 同じ命式に印綬と正官があれば、印綬の気質が強められます。
正財は、印綬の力を奪います。 同じ命式に印綬と正財があれば、印綬の気質が弱められます。
印綬は、劫財に力を与えます。 同じ命式に印綬と劫財があれば、劫財の気質が強められます。
印綬は、傷官の力を奪います。 同じ命式に印綬と傷官があれば、傷官の気質が弱められます。
印綬がめぐる期間には、精神性が高まり人間的な完成を目指すようになります。 何らかの勉強や研究、あるいは、日々の仕事の向上などに熱心に取り組んで集中力が高まります。
分かりやすく出世をしたり経済的に成功するとは限りませんが、目には見えなくとも内側で修練を重ねることで人間的に洗練されていく時期です。 どこか日々の修業を欠かさない僧侶のような印象となるかもしれません。
両親や祖父母との縁が深まる時期で、自分自身も家族や身近な人への面倒見が良くなります。 親、教師、年上の先輩などの年長者から助けてもらいやすくなる時期ですが、 その反面、親などから必要以上に干渉されたり、自分自身も年長者から助けてもらえることに甘えやすくもなります。
何事にも思慮深くなるのは良いのですが、必要以上に考え過ぎてしまう傾向も強くなります。 人によっては社会生活に価値を見いだせなくなって、こもり気味の生活となるかもしれません。 現実生活や健康などがおろそかにならないように、バランスをとりながら研究を深めてください。