正財(せいざい)は、日干から剋される五行、日干と異なる陰陽の関係性になる場合に算出される通変星です。 具体的に日干と蔵干の組み合わせで通変星が正財となるのは、以下の10パターンです。
例えば、日干が「甲」の場合に相手の蔵干が「己」であれば、その部分に入る通変星は「正財」となります。
命式の月柱と蔵干の通変星が交わった位置に入る通変星を「月支元命(げっしげんめい)」と呼びます。 月支元命はその人の気質の軸とされており、四柱推命の鑑定では重視されます。
月支元命が正財になる人は、誠実で真面目な働き者でしょう。 社会人としてきちんとした態度で振る舞える堅実な人であり、 正義感や責任感が強く、社会ルールやモラルを守ります。
決して派手ではありませんが、いつも安定した対応で頼りになる人です。 合理的な価値観の持ち主で、仕事もしっかりとこなせます。 周りの人たちに安心感を与えるタイプと言えるでしょう。
一方で、堅実な分だけ視野が狭くなりがちで柔軟性に欠ける傾向です。 決められた実務を日々こなしていくことは得意ですが、 自由な発想が求められる場面では正財の長所は活かしにくいかもしれません。
正財は、あまり浪費をしません。 それ自体は長所ですが、 お金を貯め込むばかりで生かしきれないということがあるかもしれません。
正財は、自分自身を表す日干が相手のエネルギーを奪いにいく通変星です。 地道な計画の実行者であり、着実に職務を遂行することを行動原理としています。 命式に正財が多ければ、以下の傾向が強まります。
通変星同士の組み合わせには相性があります。 相手の働きを活発にすることを「生じる」、相手の働きを抑えることを「剋す」と言います。 以下は、通変星同士の相性を図にしたものです。
傷官は、正財に力を与えます。 同じ命式に正財と傷官があれば、正財の気質が強められます。
劫財は、正財の力を奪います。 同じ命式に正財と劫財があれば、正財の気質が弱められます。
正財は、正官に力を与えます。 同じ命式に正財と正官があれば、正官の気質が強められます。
正財は、印綬の力を奪います。 同じ命式に正財と印綬があれば、印綬の気質が弱められます。
正財がめぐる期間には、何事も堅実に進めようとする気持ちが強くなります。 現在の社気的地位を手堅く守り、財産は貯金や不動産などの固定資産として貯め込んで、あまり動かさなくなります。
夜遊びなどは少なくなり、自宅で家族と過ごす時間が増える傾向です。 無難に過ごす単調な毎日と言えなくもありませんが、落ち着いて過ごせる平和な日々とも言えるでしょう。
地に足のついた時間を重ねることで、ある種の貫禄や説得力が備わります。 特に家族を養っている場合には、勤勉に働いて生活を安定させることに価値を見出すでしょう。
恋愛についても軽い遊びというよりは、マジメで誠実な交際となる傾向です。 この時期の交際は長続きしやすく、結婚につながることもあるでしょう。