病(びょう)は、十二運(じゅうにうん)のひとつです。
十二運は命式中の五行や通変星の強弱を表したもので、 胎(たい)・養(よう)・長生(ちょうせい)・沐浴(もくよく)・冠帯(かんたい)・建禄(けんろく)・帝旺(ていおう)・衰(すい)・病(びょう)・死(し)・墓(ぼ)・絶(ぜつ) の十二種類があります。
そのなかで病は、人の一生に例えれば“老年期”のような運気です。 力量が弱いため、良くも悪くも運勢の波が弱まります。 吉も凶もほどほどの静かな運気と言えるでしょう。
病は、人の一生に例えれば身体のあちこちに老いが感じられる老年期、植物に例えれば葉の枯れ始めた樹木です。
老いは生きていれば誰にでも訪れるものであり、白髪やしわなどの老化現象が避けがたくあらわれます。 活発さはなくなり、無理が利かなくなります。
とはいえ、健康に老いていく人がいるように、必ず病いなどの問題が出るというわけではありません。 活動的ではないけれど、穏やかに物思いにふけったり趣味に没頭するにはよい運気と言えるでしょう。
命式中(特に月柱や日柱)に病がある人は、インドア派の人物でしょう。 静かな環境を好み、どちらかと言えば出不精です。
体力で勝負するタイプではなく、知恵と知識で勝負するタイプです。 実際に行動するよりも、頭の中で考え事をしているほうが性に合っているでしょう。 調べ物が好きなので、基本的に物知りです。
人の気持ちの分かる苦労人のようなところがあり、周りの人への思いやりがあります。 想像力が働いていろいろと気が付くので、相手の気持ちを先回りして察するような気遣いができます。
一方で、あれこれと思案するばかりで、行動が伴わないような面があります。 外へ出て新しい人との出会ったり、新しい環境に飛び込むことは決して嫌いではありませんが、どこか億劫に感じてしまうかもしれません。
尚、命式に「病」という文字があるとドキッとしますが、「病」だから病気になりやすいという意味ではありません。 運気の強弱を人の一生になぞらえて「病」という文字が当てられているだけです。
上記は、月柱や日柱の十二運が病の人に、特に表れやすい傾向です。 年柱や時柱の十二運が病の人も、少し上記の傾向があるかもしれません。