絶(ぜつ)は、十二運(じゅうにうん)のひとつです。
十二運は命式中の五行や通変星の強弱を表したもので、 胎(たい)・養(よう)・長生(ちょうせい)・沐浴(もくよく)・冠帯(かんたい)・建禄(けんろく)・帝旺(ていおう)・衰(すい)・病(びょう)・死(し)・墓(ぼ)・絶(ぜつ) の十二種類があります。
そのなかで絶は、人の一生に例えれば、生命・肉体ともに完全に絶えた状態です。 力量は十二運のなかでも最弱であり、活発さは失われています。
運気の方向性が無くなった状態なので、周りからの影響で吉にも凶にも転がる可能性を秘めています。 そういう意味では、何が起こるか分からない予測不能の運気とも言えます。
絶は、人の一生に例えれば魂の行き先が定まらずにさまよっている状態、 植物に例えれば根付く土地の定まらない種子が風や水などで流されている状態です。
運気は最弱であり、自分の力量だけで開運することは簡単ではないでしょう。 様々なことが定まらず、何事も長続しない不安定さがつきまといます。
良いところへ流されるように願い、流された先では自分なりに最善を尽くし、 そこが合わなければ再び別の土地まで流されていく…といった運気です。
流され方次第では何が起こるか分かりません。 予想外の展開で大成功してしまうことがあり、波乱万丈で吉凶混在の運気とも言えます。
命式中(特に月柱や日柱)に絶がある人は、変化の多い人生となりやすいでしょう。 新しいことに挑戦する意欲的な変化というよりは、住む場所が何度も変わったり、職業や交友関係などが長続きしなかったりといった流されていくような変化です。
自分の居場所や人生の目標が定まりにくいところがあり、心にスキマがあるような感覚になりやすいでしょう。 自分なりに頑張ろうとしても中途半端に終わってしまうなど、なかなか人生が安定しないかもしれません。
一方で、紆余曲折を経て行きついた先で良い環境・仕事・伴侶に出会うなど、結果オーライで幸せをつかむようなところがあります。 流されやすく定まらない気質ゆえに、何が幸いするのか分からない吉凶混在の運勢なのです。
何事も自分の思うようにならないもどかしさを感じるかもしれませんが、 それでも腐らずあきらめず、流された先の“いまここ”で最善を尽くすことが開運につながるでしょう。
上記は、月柱や日柱の十二運が絶の人に、特に表れやすい傾向です。 年柱や時柱の十二運が絶の人も、少し上記の傾向があるかもしれません。